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会長・理事長挨拶

会長就任の挨拶

2015年6月13日
岩崎 学(成蹊大学理工学部)

会長選任の一連の手続きを経て,2015年6月の理事会にて正式に日本統計学会会長に選出されました.この手続きの間,選挙の投票用紙に私の名前を書いていただいた方が大勢いらっしゃったことに思いを寄せ,選挙の重要性を改めて認識すると共に,その方々の負託に応える責任を感じています.長い歴史のある日本統計学会を,中野純司理事長および理事・監事・代議員の皆さんと共に2年間運営していく所存です.会員諸氏のご協力をお願い申し上げます.

日本統計学会はこれまで,主として経済分野そして数理分野の研究者を中心に発展を遂げてきましたが,特に最近,ICT技術の飛躍的な発展にも後押しされ,その守備範囲を広範に広げつつあります.その背景には,各種データを国民の共有財産とみなし,その活用を推進しようとする官公庁の姿勢の変化も見逃すことはできません.

GoogleのチーフエコノミストのHal Varianは「統計家はセクシー・ジョブ」といい,その言葉が一躍有名になりましたが,Varianはそれに続くフレーズで「データを取り,それを理解し,解析し,そこから価値を見出し,視覚化し,人に伝える力,これらは,今後何十年にもわたって極めて重要なスキルとなる.それは,専門家だけでなく,小中学校や高校の生徒から大学の学生といった教育現場でもしかり.」とも述べています.まさにこれは,現在統計学の置かれている状況を言い表していると思います.

日本統計学会は,統計関連学会連合大会の一環としての年次大会や3月の春季集会などの学術集会の開催,各種国際会議などの後援,学術雑誌の発行,SpringerBriefs in Statisticsなどの出版企画など,多くの事業を行っています.特に,2011年に開始した統計検定は,当初年1回実施だったものが年2回実施となり,受験者も増加の一途をたどり,順調な発展を見せています.今後もこれらの活動を積極的に進めてまいります.

それらに加え,上述のHal Varianの言葉にもあるように,統計学の教育および普及も学会の重要な使命と考えています.社会からの期待に応えられるような学会となるよう,皆さんと共に歩んでいく所存です.

会長略歴:
岩崎 学(いわさきまなぶ)理学博士
1952年12月:静岡県浜松市生まれ.
1977年3月:東京理科大学大学院理学研究科数学専攻修士課程修了.
茨城大学工学部情報工学科助手,防衛大学校数学物理学教室講師・助教授を経て1993年4月より成蹊大学に勤務.
1997年4月:成蹊大学教授,現在に至る
研究分野:
統計的データ解析の方法論と応用

理事長就任の挨拶

2015年7月13日
中野 純司(統計数理研究所)

このたび伝統ある日本統計学会の理事長に任命されました.個人的には青天の霹靂とも言うべき事態でした.歴代の理事長は錚錚たるメンバーであり,わたしがその方々の末席を汚すことなどとても信じられませんでした.しかしながら選んでいただいた以上,微力ながらもこれまでの理事長に近づくべく役割を果たさないといけないと気を引き締めております.岩崎会長,理事,監事,代議員,会員の皆様のお力を借りて,2年間,日本統計学会の運営に精一杯尽力したいと考えています.
統計学は「データを扱う科学」であり,データ,その扱い方,目的には時代背景,技術,必要性にしたがって非常に幅広いアプローチがあります.そのため,日本統計学会会員の所属も興味も多種多様です.しかしながらそれらの中には多くの共通の「統計的な考え方」があることも明らかです.そしてそれらは社会にとっても非常に有用なものであるにも関わらず,日本における認知度は諸外国に較べて低い状況です.また,日本人研究者による多数の質の高い研究成果があるにも関わらず,日本からの情報発信(特に日本発の学術誌によるもの)は十分とは言えません.最近,ビッグデータの重要性が広く認識され,それに伴い統計学にも高い関心が寄せられていることは確かです.ただビッグデータに関しては「データを扱う技術」の側面の強いコンピュータ科学が「因果関係はもはや考慮する必要はなく,相関さえ考えればよい」とか「ビッグデータがあれば比較的簡単なアルゴリズムで十分な予測ができる」という考えを標榜し華々しい成果をあげており,より注目されていると言ってよいと思います.
このような状況においてわれわれは統計学をより発展させるとともに,その考え方を社会に正しく還元してゆく必要があります.そのために日本統計学会は何をするべきでしょうか.まず,統計学研究のレベルをいろいろな方向に高めるための場を提供することです.学問も人間がやるものですので統計学関係者のローカルな切磋琢磨の場は重要です.それが第1議的な日本統計学会の役割でしょう.このためにはより良い議論の場(研究集会,学会誌)を提供すること,それらの国際化,などが必要です.特に国際化は重要で,国際語である英語の利用や近隣諸外国の学会とのこれまで以上の協力を行わねばなりません.また現在では科学においても商用化や分野間の競争を免れることは難しくなっています.必要な研究体制を維持するためにも,これまでの優れた部分を守りながらも新しい工夫を行うことが必要でしょう.さらに日本社会の中での統計学のプレゼンスを高める必要があります.そのために日本統計学会ではこれまで関係者の多大な努力により義務教育における統計学の復権,統計検定の実施などを実現してきましたが,この動きは引き続きサポートする必要があります.
統計学は科学にとっても(日本)社会にとっても必要不可欠なもので,より高度化し認知度を高める必要があります.そのための日本統計学会の活動に会員の皆様の積極的なご参加をどうかよろしくお願いいたします.

理事長略歴:
中野 純司(なかのじゅんじ)理学博士
1955年7月:徳島県徳島市生まれ.
1980年3月:東京大学大学院工学系研究科計数工学専門課程修士修了.
徳島大学工業短期大学部助手,埼玉大学大学院政策科学研究科講師,
一橋大学経済学部助教授を経て1998年4月より統計数理研究所教授,
現在に至る
研究分野:
時系列解析,計算機統計学
  • 賛助会員
  • 統計関連メーリングリスト
  • 統計教育委員会
  • 統計検定

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